高齢者詐欺・詐欺師は横の繋がりがある
段ボールの中には、大量の紙きれが入っていた。他社から買ってきたんだ。誇らしげに痩せ男は言った。
その紙は、いわゆる顧客名簿の束だった。
痩せ男によると、2万人の住所と名前、電話番号が記載されていると言う。
驚いたのは、1人あたり百円で買ったことだ。単純計算で合計2百万円もする。
「かなり最近の個人情報らしいけど、半分も合っていれば十分かな」
どれだけ儲かっているか知らないが、百万円も無駄にしても価値があるのだというのだろうか。
痩せ男はWEBデザイナーにパンフレットを作れと指示を出した。
数日後に美しいパンフレットが完成しました。
誰の目にも、これが多くの人たちを騙す目的で作られた物とは思えません。
このパンフレットが一斉に配られると、信じられないくらいの電話が鳴り響きました。
正確な計算はできませんが、おそらく痩せ男の言う通り、半数の1万人近くの新規会員が増えました。
新規会員になるには5万円が必要です。計算通りなら5億円の売り上げです。
その他にパンフレット以外の新規客や、継続客も大勢います。
これらを加算すると、どれだけの売り上げになるのか想像もつきません。
このような会社にも繁忙期があります。
競馬には年間2回あるGⅠシーズンが繁忙期となります。
会員の多くは、このGⅠレースで万馬券を当てたいという夢があります。
この『夢』を会員が買うには50万円だ。
2020年09月08日 21:15
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