介護問題・体験談・公僕でもプロでも平気で嘘をつきます
ケースワーカーの主張は、大きく分けて2つありました。1つは、認知症を治すために病院に入ること。
もう1つは、治療しないと新しい部屋は借りられない。
ようは、病院に入れということです。
入院するのは構わないのですが、私が一番気になったのは『認知症を治す』という言葉です。
素人ながら認知症について少し勉強をしていましたが、認知症は現代医学では治すことができず、症状悪化の進行を遅らせることしかできないと認識していました。
ケースワーカーと話をしますが、とにかく入院してくれの一点張りで話になりません。
退去後の部屋がない以上、強制的に入院が決まりますが、私は唯一お願いをしました。
入院先は、精神病院以外でお願いしたいと。
この願いは、母から精神病院で過ごす日々がいかにキツイかということを聞いていたからです。
普通の神経をした人なら、とても耐えられない生活を母に再びしてほしくありませんでした。
ケースワーカーは入院を決断したことに謝意を表し、精神病院以外を探すと約束しました。
入院先は、電車で片道1時間30分、徒歩で20分かかります。
仕事が始まっている私には辛い距離です。ですが、できるだけ多く面会に行きたいと思っていました。
入院する日は私が仕事だったので、ケースワーカーが母を病院まで連れていってもらいました。
とりあえず、これで一段落したなと胸を撫で下ろしました。
母が好きなパンと牛乳を買い、初めて母の面会に行きました。
病院へ行き受付を済ませると、母がいる部屋までの順路が書かれた紙を貰います。
エレベーターに乗り最上階まで行くと、頑丈そうな扉がありました。
横のインターホンを鳴らし、私が名乗ると扉が開きました。
室内は広く、30畳以上はあります。奥にはナースステーションが見えます。
しかし、私の目には絶望の景色にしか見えませんでした。
広いホールには、以前に見たゾンビのような人たちが大勢徘徊していました。
2020年07月21日 20:12
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