物流ブラック企業・パワハラ
先輩は週5日で毎日4往復しているので、1日に13時間以上働きます。還暦を過ぎていますが、13時間以上働いて休憩時間はありません。
日に日に病的に痩せていく姿を見ていましたが、私は先輩から受けた仕打ちを忘れていません。
「会社から俺1人で働きすぎだと注意されたから、何とかしなきゃいけないんだよね」
私は耳を疑いました。
会議の時は誰よりも早く作業が出来ると会社にアピールし、先輩は積極的に大変なルートを選択しました。
どんな結論がでても会社はドライバーには無関心です。
その会社が、こんなことを言うはずがありません。
会社は会社に損害がなければ、誰が過労死しようが関係ないというスタンスです。
新人の私でもわかる嘘を、迫真の演技で部下に仕事を押し付けてきます。
完全なパワーハラスメントにより、我々は理不尽に納品数を増やされることになりました。
この決定により先輩を3往復で終わらせるために、載せきれない商品は別のドライバーが少数でも、わざわざルートにない店に立ち寄る必要があります。
納品商品が僅か5個のために、20キロ以上も走ることも多くありました。
特に私は新人で、数量の少ないコースということもあり、他の先輩からも頼まれ誰よりも走行距離が増えました。
帰宅時間がおそくなり本当に納得いきませんが、まだ仕事が遅いことも事実。
ドライバーの中では、早く仕事ができる人が優秀だという認識が強くありました。
そこで私は考えました。誰よりもスピーディーに仕事を終わらせれば、多少の意見が通るのではないかと。
その日から試行錯誤の連続でした。
効率のよい動きや、裏道の開拓。納品時に早く降ろせるように積み込みから熟考します。
ただ、商品破損だけは気をつけねばなりません。
どんなに早くとも、実費負担をしては意味がありませんから。
数か月が経ち、ようやく努力が実を結び、ウチの会社の中では1番早く作業ができるようになります。
若手は私1人なので当然といえば当然なんですが、少し鼻が高い気分でした。
考えてみれば、この時が最も楽しかった時でした。
目標を持つことの重要性を再確認した思いです。
キツイだけの毎日の中にも小さな目標をみつけながら、なんとか仕事をこなしていましたが、天気予報から最悪の知らせを受けます。
それは平成26年の豪雪です。
2020年08月14日 20:15
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