物流ブラック企業・待ち時間は8時間以上
あまりに理不尽な物言いに、自分でも顔が険しくなるのがわかりました。「それから、お前のトラックも外に出しとけよ。これから大型が入ってくるからな」
これから大型が入るだと?
センターの言う大型とは、20トンクラスのトラックのことです。
各メーカーの大型トラックは、商品をセンターに運びます。
一斉に集まった商品はフォークリフトでセンター内に運ばれ、検品されます。
検品された商品は、ほぼ手作業で各店に振り分けられ、そこから更に検品されてから我々ドライバーが積み込みます。
まだ大型トラックが来ていないうえに、これらのセンター作業をするとなると、何時間かかるかわかりません。
私は近所の公園の横にトラックを停めますが、普通に駐車禁止場所です。
19時を過ぎると、続々と他社のトラックが辺りを周回し始めました。
そして、先輩たちも私に気が付きます。
さすがにセンターへの恨み節に花が咲きました。愚痴に愚痴が重なりますが、ちょくちょくセンターの準備が終わったかと様子を見に行きました。
愚痴にも飽き、寒さが身に染みてきました。
騒音防止とガソリン代節約のために、エンジンをかけないトラックの中で携帯を操作していると、正午を過ぎていました。
フロントガラスに雪が舞ってきたのは深夜2時頃です。
これを合図にしたのか、センターから積み込み許可が下りました。
待ち時間は、なんと8時間以上です。
トラックを積み込みバースに着け、かじかむ手と冷えた身体に気合をいれます。
時間と共に安全靴に雪が積もり、荷台の床が濡れていきます。
早く出発したいという焦りも募りました。
他のドライバーも同じ気持ちのようで、周囲からクラクションが鳴ったり、早く積めと具体的に言葉に出すようになります。
センター全体が苛立ちと殺気に満ちていくのを感じました。
2020年08月17日 19:25
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