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物流ブラック企業・仕事の先にあるもの

私は手動で窓ガラスを開けました。どこか助けてくれるのでは、という下心もあります。

「立往生ですか」そう初老の男性は言いました。
「もう進まないんです」私は諦めた表情でそう答えます。

「このままでは本当に立往生してしまいますよ」
そう言って初老の男性は傘を置き、タイヤ付近の雪を素手で掻き始めました。
雪にまみれても手を止めない姿を見て、私は慌てて外に出ました。

「私には持病があって、ここのドラックストアの常連なんです。
さっき、あなたが頑張って納品している姿を窓から見て来たんだ。」

この言葉は私の心を射抜きました。
納品した次の展開まで想像が至らなかった自分を恥じます。
我々は一緒に雪掻きをして、大通りまでの道を作りました。

途中で様々な困難がありましたが、何とかセンターまで着き、積み込みが出来ました。
昼が近くなると地域の人たちが雪掻きをしたり、車の量も深夜よりも増えた影響で、少しだけ走りやすくなります。
ようやく納品を終え、会社に着いたのは17時でした。

もはや労働時間すら考えることもできずに、ただただ無事に帰れたという安堵感が自身を包みました。
ですが自転車で通勤している私は、雪で帰路することができません。

エンジン音を聞いた運行管理者が、事務所からでてきました。
労いの言葉を短く言い、今日は20時から積み込みだと告げてきました。
会社の保身しか考えない姿勢には、うんざりします。

「今日は、武器を持ってきたよ」
そう言って運行管理者は、薄笑いを浮かべて使い古したスコップを持ってきました。
私は、深い暗闇に落ちていく感覚に襲われました。
 
2020年08月20日 21:08

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